トピックス

  • 2014-09-30 国際協力 > No.17 JICA「自然・文化資源の持続可能な利用(エコツーリズム)」研修を実施しました
    2014年8月25日(月)から9月30日(火)まで、アジア、中米、東ヨーロッパの途上国を対象に、エコツーリズムに関する研修を実施しました。国際協力機構(JICA)北海道(帯広)からの委託事業で、地域の自然や文化を住民自身が観光資源として持続的に活用し、地域経済や環境保全意識の向上につなげることを目的としています。今回の研修にはブータン、グルジア、ガイアナ、コソボ、メキシコ、モンゴル、ミャンマー、スリナム、アルバニア、トルコの計10か国から、観光振興や自然公園管理に携わる行政官のほか、NGO職員など10名が参加しました。
    コースリーダーの新庄久志氏(KIWC技術委員長)の引率で、研修員達は然別湖(大雪国立公園)や釧路湿原、厚岸湖・別寒辺牛湿原などの自然公園・鳥獣保護区を訪れ、環境や野生生物に配慮したツアーの運営や、ビジターセンターの活用などの方法について学ぶ一方、牧畜や漁業などの地域産業を観光に活かした事例にも触れました(乗馬、漁船や漁師番屋を利用した体験ツアー等)。
    また、東京や京都で伝統芸術や史跡、里山など、日本の歴史や文化に親しむツアープログラムの体験や、エコツーリズムの理論・施策に関する講義を受け、さらに沖縄で、エコツーリズムによる若者の雇用創出の取り組みについても学びました。
    地理的にも文化的にも多種多様な背景を持つ研修員達でしたが、皆仲が良く、忙しい日程の合間に日本の街を探検しながら、自国の観光振興に役立ちそうなヒントを集め、仲間同士で共有していました。

  • 2014-09-19 国際協力 > No.16 韓国自然保護団体GREF・ERFの合同訪問団を迎えました
    9月17日から21日まで、韓国の自然保護団体・慶尚南道ラムサール環境財団(Gyeongsangnamdo Ramsar Environmental Foundation、以下GREF)、環境生態系研究財団(Environmental Ecosystem Research Foundation、以下ERF)のメンバーら10名が釧路地域を訪れました。GREFの最高責任者(CEO)のKO Jae-Yun氏率いる訪問団には、韓国・慶尚南道のウポ(牛浦)湿地などの自然情報施設の関係者も参加し、秋晴れの中、釧路地域のラムサール湿地で自然系施設や遊歩道を視察しました。
    KIWCは日程中の9月18日に、一行に同行して釧路湿原を訪れ、遊歩道や塘路湖エコミュージアムセンターなどの自然系施設を案内しました。温根内の木道でのタンチョウの発見や、釧路湿原野生生物保護センターの協力によるオオワシなど傷病猛禽類の治療・リハビリテーション施設の見学などに、韓国の湿地保全のプロフェッショナル達も興味津々の様子でした。
    9月19日には、釧路市役所で訪問団とKIWC合同のワークショップを開催し、互いの地域の湿地保全の現状を紹介し、意見を交わしました(参加者17名)。日韓の団体を代表して、GREFのKO氏とKIWCの菊地事務局長から発表された双方の活動や課題から、多くの共通点が見出されたとから、今後GREFとKIWCが連携を進めることは、両組織のみならず、釧路と慶尚南道双方の地域全体の湿地保全に大きく貢献できるとの認識を深めました。
    そこで、ワークショップ終了後に、GREFとKIWCとの今後の連携について案をまとめ、双方代表の署名による覚書を交わし、相互交流を進めていくことを約束しました。
    訪問団はその後厚岸湖・別寒辺牛湿原や霧多布湿原を巡り、21日に帰国の途につきました。

  • 2014-07-23 国際協力 > No.13 JICA「地域における生物多様性の保全と持続的利用」研修を実施しました
    2014年5月26日(月)から7月8日(火)まで、コスタリカ、メキシコ、マレーシア、ウガンダの4か国から7名の行政官が日本を訪れ、湿地の生物多様性の保全と持続可能な利用について研修を受けました。
    この研修は環境省の協力によりJICA(国際協力機構)が主催するもので、当センターが受託者として実施しました。コースとしてはこれで3回目となります。
    研修員は東京を皮ぎりに、沖縄、富士吉田、宮城、北海道へと場所を変えながら、湿原から干潟、サンゴ礁、河川、水田まで多様なタイプの湿地について、保全の取り組みや産業・教育への活用の工夫などを学びました。ラムサール条約湿地の漫湖、蕪栗沼(宮城県)・周辺水田、釧路湿原、厚岸湖・別寒辺牛湿原、霧多布湿原など、各地で保護活動の担い手や住民、行政関係者と直接対話し、保全に至る経緯や湿地の特色を活かした地域おこし(農水産物のブランド化や観光への利用、環境教育など)の事例を紹介してもらいました。研修プログラムの中には、北海道標茶高校の生徒自身の解説による釧路湿原自然再生プロジェクトの視察や、浜中町立茶内小学校と合同の霧多布湿原探索、漫湖水鳥湿地センターでの環境省と那覇市、豊見城市の職員とのワークショップなども含まれ、子供達から専門家まで、湿地に関わるあらゆる方々の協力を得て、講義や実習、討論が行われました。
    このような様々な体験を元に、研修員はそれぞれ自国の湿地・生物多様性の保全と持続的な利用を進めるために帰国後行う取り組み案を作成し、研修の最後に発表しました。

  • 2013-10-14 国際協力 > No.4 JICA自然・文化資源の持続可能な利用(エコツーリズム)研修(B)が終了しました。
     本年度2回目となるJICAのエコツーリズム研修を、2013年9月9日から10月14日まで実施しました。今回はアルバニア、アルゼンチン、グルジア、キルギス共和国、ペルー、セルビア、マケドニア、東ティモールから、観光振興に係わる8名が参加し、第1回目と同様、釧路地方など道内をはじめ東京・京都・沖縄で、エコツーリズムについて学びました。また、今回も新庄久志KIWC技術委員長がコースリーダーを務め、研修員に同行しました。
     一行は秋の盛りの北海道で、在来馬(どさんこ)を使った乗馬トレッキングや、漁船に乗って無人島に上陸するツアー、地元の子供達と一緒の環境学習など、バラエティに富んだプログラムを体験し、毎週のミーティングでその内容を分析して、体験から学んだことを再確認しました。
     京都では、大学で観光を学ぶ学生達とのワークショップも行われ、会場となった大学の食堂では、研修員が若い学生に囲まれ、各国のエコツーリズム事情について意見を交わす姿が見られました。
     研修の最終日は、東京のJICAセンターで、研修員によるアクションプランの発表会が開かれました。地域の自然・文化的な財産を地域の人が観光業に役立て、その利益を地域全体で共有するための取り組みについて、研修員達がそれぞれの国の事情に合わせつつ、日本で得たアイディアを盛り込んだプランを発表し、研修を締めくくりました。

  • 2013-09-02 国際協力 > No.3 JICA自然・文化資源の持続可能な利用(エコツーリズム)研修(A)が終了しました。
     地域開発の手法として、地域の自然や文化を、観光資源として持続的に活用する「エコツーリズム」について学ぶ、途上国向けの集団研修を実施しました。国際協力機構(JICA)北海道(帯広)からの委託事業で、平成25年度は夏から秋にかけて2回のコースを実施し、16か国からの参加がありました。

     第1回目のエコツアー研修は2013年7月29日から9月2日にかけて行われ、カンボジア、インド、ネパール、パラオ、セネガル、スリランカ、トンガ、ベトナムから、観光局などで働く8名が北海道にやってきました。
     然別湖では山や森林を利用したトレッキングなどのツアーを、釧路地域では野生動物に配慮したカヌーの運行や、漁業や農業など地域の産業と結びついた観光開発などについて学びました。
     一行はさらに本州以南へも足をのばし、東京・京都では伝統文化や史跡の活用や、日本のエコツーリズム施策などの理論について実習や講義を受け、さらに南の沖縄では、サンゴ礁やマングローブ林ツアーによる町おこしの事例を視察体験してきました。全日程にわたってKIWCの新庄久志技術委員長がコースリーダーとして同行し、研修員の学びをサポートしました。
     来日中は市民ボランティアの協力でホームビジットや交流会なども行われ、研修員は忙しい研修スケジュールの合間にも、浴衣を着つけてもらったり、日本料理作りに挑戦したりと、ホストファミリーと楽しい思い出をたくさん作ったようでした。