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  • 2014-10-10 技術委員会 > No.18 技術委員会が現地検討会を開催しました
    2013~2015年度(平成25~27年度)技術委員会調査研究テーマ「地域における湿地と恵み」について、釧路地域の事例を視察する現地検討会を、2014年10月10日に厚岸町で開催しました。今回は「藻場と漁業」について検討するため、技術委員のひとりである厚岸水鳥観察館の澁谷辰生主幹のコーディネートで、委員ら15名が厚岸湾と厚岸湖を訪れました。
    厚岸湾東側のアイニンカップ沿岸は国内最大級のオオアマモの群生地として知られています。視察には北海道大学北方生物圏フィールド科学センター・厚岸臨海実験所助教の伊佐田智規先生にもご参加いただき、オオアマモがホッカイシマエビをはじめ、魚類や甲殻類など多種多様な生物の重要な生活場所となっていることを説明していただきました。
    次に向かった厚岸湖はラムサール条約にも登録されている汽水湖で、国内有数のオオハクチョウの飛来地として知られています。また、湖内ではカキやアサリが養殖場され、地域の経済を支えています。委員達は浅瀬に入り、アマモやコアマモが群生する中に、小魚や貝類など多くの生き物がいる様子を実際に確認しました。
    現地視察後は厚岸湖と別寒辺牛湿原を望む場所にある厚岸水鳥観察館に移動し、厚岸臨海実験所所長の仲岡雅裕先生から、アマモ類の特徴や生態系における役割の重要性についてお話を伺いました。アマモ類の「藻場」は、水中の生き物への生活場所の提供や、オオハクチョウなど水鳥の餌となるなどの直接的な消費や利用をされるだけでなく、海草の表面や藻場の底に微小な藻類が付着することで、それを食べる貝類や動物性プランクトンから最終的に大型の魚類などへ至る、複雑な食物網を形成しているそうです。また、水中の炭素やリン、窒素などを吸収し、酸素を供給するので、水質の向上や安定の面でも養殖漁業に大きく貢献しているとのお話でした。その一方で、このような海草の働きが一般にほとんど知られておらず、世界的にみると年々5%の藻場が失われているという指摘もありました。
    委員からは、水中の光の透過性がアマモ類の生育に大きく関係するので「特に深いところで育つオオアマモは水環境の指標に有用では」という提案や、「藻場の保全のためには、経済的な効果も含めて、漁業者や地域の人へアマモの重要性を伝えていくことが必要」などの意見が出されました。

  • 2013-11-06 技術委員会 > No.8 技術委員会が現地検討会を開催しました。
     2013~2015年度(平成25~27年度)技術委員会調査研究テーマ「地域における湿地と恵み」について、釧路地域の事例を視察する現地検討会を、2013年11月6日に浜中町で開催しました。
     今回技術委員会のメンバーら14名が訪れたのは、NPO法人霧多布湿原ナショナルトラストが2012年から実施している「湿原と海とのつながりプロジェクト」の現場です。同トラストでは、森林に端を発し、霧多布湿原を経由して琵琶瀬湾に注ぐ琵琶瀬川が運ぶ、森林や湿原からの鉄などの物質に着目し、これらの物質が海産物の生育にもたらす効果から「湿原と海とのつながり」を科学的に明らかにするとともに、浜中の海産物のブランド化を図りたいと考えています。
     トラスト職員の河内直子さんから説明プロジェクトについて説明を受けた後、琵琶瀬川のサンプル採取地点や、調査の指標海産物であるホッキ貝の生育場所を視察しました。琵琶瀬湾の浜辺では、地元漁師の渡部貴士さんが、ホッキが海のどんなところで育つか、また、どのように漁を行うか、手掘り(ホッキ鎌掘漁)器具の実物を使いながら説明してくださいました。
     霧多布湿原センターで行われた視察後のディスカッションでは、浜中町役場や漁協の関係者も加わり、調査の手法や漁の様子などについて質問や意見が活発に交わされました。このプロジェクトは3年間の予定だそうですが、参加した技術委員会メンバーからは、市場でも味の良いことで定評のある浜中のホッキ貝やウニを、「次回の視察ではぜひ食べてみたい!」との声しきりでした。