2005年度JICA「湿地における生態系・生物多様性とその修復・再生及び賢明な利用」研修コースの実施

2005年5月16日から6月24日まで、JICA(国際協力機構)集団研修「湿地における生態系・生物多様性とその修復・再生及び賢明な利用」研修が、JICA帯広国際センターを研修実施機関、環境省自然環境局及びKIWCを受け入れ機関として実施されました。
2回目の集団研修となる今年度は、6カ国(コロンビア、ラオス、ネパール、オマーン、タンザニア、タイ)より環境保全や自然保護に係わる研究者や中堅行政官6名が参加しました。 北海道の釧路湿原で始まった自然再生事業から、沖縄のサンゴ礁やマングローブ湿地の生態系保全のための取り組みまで、日本列島を縦断しながら、多種多様な環境における湿地の保全・自然再生の事例について学びました。また、研修員は環境教育やエコツアーなど、湿地の自然資源の持続的な利用方法に関するさまざまな実習にも参加しました。
研修員達は滞在中、釧路の一般家庭を訪問するホームビジットや、エコツアーや環境保全について学んでいる大学生との討論など、さまざまな市民との交流の機会にも恵まれました。


2005年度技術委員会フィールド事例研究会の実施

技術委員会は2005年8月2日に、「湿地の保全と賢明な利用のための広報・教育・普及啓発」について、フィールド事例研究会を開催しました。オブザーバー、スタッフを含む16名が霧多布湿原センターを訪れ、同センターで実践されている環境教育・普及啓発プログラムの視察・体験を行いました。
最初に、技術委員でもある伊東俊和館長をはじめとする、NPO法人霧多布湿原センターのスタッフより、同センターの運営・活動の概要や、実施されている「学校と連携した環境教育プログラム」「地元素材・人材を活かした環境教育プログラム」「エコツアープログラム」例について説明をうけました。
その後、実際にフィールドでの「湿原探検ツアー」を体験しました。動植物・水辺環境の観察や、手作りの野外遊具体験などの事例検討を行い、意見や情報を交換しました。
センターの環境教育プログラム「魚の観察」の紹介場面では、参加者自身に作成させている釣竿の材料「スズタケ」が、実は、道東ではこの地域のみに生えていることが、委員からの指摘で判明しました。プログラムに思わぬ「特産」の付加価値が追加された一方、各委員もセンターの随所でみられた様々な工夫やアイディアに触発された様子でした。


2005年度JICA「自然公園の管理・運営と利用(エコツアー)」研修の実施

2005年8月22日から9月30日まで、JICA(国際協力機構)「自然公園の管理・運営と利用研修」がJICA北海道国際センター(帯広)を研修実施機関、KIWCを受け入れ機関として実施されました。 集団研修として3回目となる今年度は、6カ国(ボスニア・ヘルツェゴビナ、キルギス、モンゴル、ネパール、ルーマニア、タジキスタン)6名の、観光や環境保全に係わる中堅行政官を迎えました。 研修では東北海道の各自然公園のほか、鹿児島県の屋久島にも足をのばし、エコツアープログラムの体験実習や、自然公園制度、エコツアー理念、環境教育現場の視察などを行いました。また、浜中町立霧多布中学校への訪問や、北海道立標茶高等学校で進められている湿原再生事業の視察など、若い世代との意見交換の機会もありました。
研修員はこれらのプログラムを通して学んだことを活かした、自国におけるエコツーリズム導入と活用のためのアクションプランを企画し、研修の最後に発表しました。


2005年度河川環境観察会の実施

河川環境管理財団・河川整備基金助成事業として、2005年度も河川観察会を実施しました。今年は対象を一般市民(大人)と、釧路湿原こどもレンジャーとに分け、2回開催しました。10月10日(日)におこなった一般向けの観察会では、釧路川の源流域である屈斜路湖周辺の環境をラフトボート上から観察しました。 続いて訪れた塘路湖畔で、カードゲームを通して、タンチョウの生息に適した環境条件について学んだあと、カヌーを使った釧路川中流域の自然環境を観察し、上流の様子と比較しました。天気にもめぐまれ、外国人3名を含む19名の参加者は、河川環境について楽しく学ぶ秋の一日をすごしました。

11月3日には、子供を対象とした観察会をおこないました。釧路湿原こどもレンジャー 27名を含む31名が参加し、塘路湖畔での自然観察ハイクや、地引網漁などに参加しました。皆で力をあわせて引き上げた網には大きなコイから体長さ数センチのトゲウオまでさまざまな魚がかかり、子供達から歓声があがりました(これらの魚は観察後に放流しました)。さらに湖畔から釧路川をカヌーで下り、河畔の生き物や水の流れの様子を観察しました。