世界湿地の日記念「冬のエコツアー2011」

世界湿地の日(毎年2月2日)を記念して、2011年1月29日(土)に地域住民を対象とした「冬のエコツアー2011」を実施しました。幼稚園・小学生の子供達5名を含む、ツアーの参加者とスタッフあわせて24名でSL列車「冬の湿原号」に乗り、車窓から湿原を見ながら釧路町細岡の「釧路湿原駅」を訪れました。
一行は、KIWC技術委員でもある環境ファシリテーター新庄久志さんの案内で駅周辺のハンノキ林や沢地を散策し、湧水や湿原の植物・スゲがつくる「ヤチボウズ」、動物の足跡などを観察しながら冬の自然を楽しみました。この周辺は、緑の季節には草木が生い茂り、地面も水浸しとなるため、地表が凍る厳冬期のみ立ち入り可能な場所とあって、子供達はもちろん、年配者までがまるで探検家のように、青空のもと白い雪がまばゆい湿原のあちこちを歩き回りました。
2011年の世界湿地の日のテーマは「水と湿地のための森林」でしたが、湿原周辺の林から湧き出た水が流れ込んで湿原を潤していることや、周辺からの流入水や土砂が湿原の植物の成長と深くかかわっていることなど、森林と湿原のつながりが実際に目で確かめられました。
冬のエコツアー2011 細岡ビジターズラウンジで昼食・休憩後は、渡辺寿さん(同ラウンジ館長)の指導をうけながら「ウッドレター」作りに挑戦しました。ウッドレターは北海道をかたどった板に、イラストやメッセージなどを彫刻刀で彫る「木の葉書」で、参加者はツアーの思い出をそれぞれレターに刻みつけ、お土産作りに夢中になっていました。
真冬日に雪中を歩く内容でしたが、参加者からは「おもしろかった」「また参加したい」という声をたくさんいただきました。


ラムサール条約40周年記念シンポジウム「湿地の恵み展」参加

自然の恵み展 2011年2月2日(水)に東京の国連大学で開催された「ラムサール条約40周年記念シンポジウム(主催:環境省)」に、KIWCから神谷賢尚事務局次長が参加し、地域住民を対象とした普及啓発の取り組みとして、釧路湿原ラムサール条約30周年記念事業をはじめとする活動を紹介しました。
また、同時開催された「湿地の恵み展」にも出展し、釧路の湿地の恵みをPRしました。阿寒湖のワカサギ佃煮やマリモ羊羹、特定外来生物ウチダザリガニを有効活用したスナック菓子などは参加者に好評で、試食のサンプルはあっという間になくなりました。


講演「釧路湿原の自然とラムサール条約」とパネル展

ときわ台講演 2011年3月6日(日)に、釧路市内の介護付有料老人ホーム「シルバーシティときわ台ヒルズ」が開催する自然文化講座で、KIWCの菊地義勝事務局長が「釧路湿原の自然とラムサール条約」について講演を行いました。このホームでは入館者や地域の人々を対象に、いろいろな教養を高める催しを行っていますが、この日は湿原や動植物の写真を交えつつ釧路湿原の魅力を紹介し、ラムサール条約について解説するとともに、約50名の参加者と一緒に湿原の大切さを考える集いとなりました。
また、講演にあわせて3月中の1か月間、釧路湿原やKIWCの活動を紹介するパネル約20点が館内に展示されました。