エコライフ・フェア2013「湿地の恵み展」参加

2013年6月1日(土)、2日(日)に、環境省主催の「エコライフ・フェア2013」が東京都の代々木公園で開催され、2日間で約78,000人が来場しました。このイベントで、ラムサール条約登録湿地関係市町村会議とラムサールセンター、日本国際湿地保全連合が共催で「湿地の恵み展〜ラムサール条約湿地の観光と物産」と題したブースを出展しました。
今回は国内の条約湿地から22湿地、20団体が参加し、観光ポスターやパンフレット、物産の展示・配布や「ラムサール条約湿地クイズ」などを通じて、各湿地の見どころや活動などをPRしました。
KIWCではこのブースに、釧路湿原、阿寒湖、厚岸湖・別寒辺牛湿原、霧多布湿原の観光ポスターやパンフレット、タンチョウの折り紙や紙飛行機などを提供し、釧路地域の「湿地の恵み」をアピールしました。
エコライフフェアの様子1 エコライフフェアの様子2


くしろエコ・フェア2013 に参加

2013年6月8日(土)、釧路市こども遊学館で「くしろエコ・フェア2013 in遊学館(主催:くしろエコ・フェア2013実行委員会)」が開催され、地域の環境保護団体・自治体など35団体が出展しました。当日は親子連れなど多くの市民が来場し、展示ブースや体験コーナーで工作やクイズを楽しみながら、身近な環境の保全について学びました。
KIWCは事務局を置く釧路市環境保全課のブースで、活動紹介パネルの展示、パンフレットや「タンチョウ・オオハクチョウ紙飛行機」工作キットの配布などを行い、湿地保全の活動をPRしました。
くしろエコフェア2013の様子 くしろエコフェア2013の様子


JICA「地域における生物多様性の保全と持続的利用」研修の実施

JICA研修1 2013年5月27日(月)から7月8日(月)まで、環境省主管によるJICA(国際協力機構)集団研修「地域における生物多様性の保全と持続的利用」コースを受託しました。このコースを実施して2年目となる今回は、中国、コスタリカ、メキシコ、マレーシアの4か国から7名の、湿地・生物多様性の保全に係わる行政官が参加しました。
日本の自然・生物の多様性をいかし、沖縄から北海道に至る5つの地域における様々なタイプの湿地(湿原、干潟、サンゴ礁、水田などのラムサール条約湿地)で研修が行われました。蕪栗沼(宮城県大崎市)での「ふゆみずたんぼ」の取り組みや、霧多布湿原(北海道浜中町)の湿原トラスト運動など、日本の湿地保全とワイズユースの実例を元に、これらにかかわる環境省や自治体関係者、NGOや農家・漁家など様々な立場の人々との対話を通じて、これらの取り組みへ地域の人の参加を促す方法や、湿地の恵みを持続的に利用するための仕組みづくりについて学びました。
JICA研修2 研修の最後には、研修員それぞれの「帰国後の湿地保全・活用プロジェクト案」の発表会が開かれました。発表会では、ビジターセンターを拠点とした地域住民向けの普及啓発活動やエコツーリズムの立ち上げ、ラムサール条約湿地のモニタリングや再生事業への児童、住民ボランティア参加事業など、日本で得た知識や経験をいかした多くのアイディアが披露されました。


ラムサール条約釧路会議開催20周年記念事業の実施

20周年事業1 1993年に釧路で開催された、ラムサール条約第5回締約国会議開催から20年を記念し、2013年7月6日(土)、7日(日)の2日間、釧路市観光国際交流センターで記念行事{ラムサール条約釧路会議+20」(同事業実行委員会主催)が行われました。
記念行事の幕開けとなる7月6日朝の開会式では、ラムサール条約事務局長のアナダ・ティエガ氏からビデオでお祝いのメッセージが披露されました。釧路会議が条約の歴史において非常に重要な役割を果たしたこと、また、この会議が日本の湿地保全活動の大きな原動力となったことなどが紹介されました。
続く記念講演会では、釧路湿原自然再生協議会・再生普及小委員会委員長の高橋忠一氏が「湿原に今、私達ができることは?」と題した講演を行いました。釧路会議では小学生から大人まで、多くの市民が通訳の手伝いや国旗掲揚などのあらゆる場面で活躍し、その活動の一部が湿原保全や国際交流のボランティア活動として根付いたこと、また、世界中の目が釧路湿原に集まったことが、地元の人々に、これまで意識していなかった釧路湿原の素晴らしさに気づくきっかけを与え、それが現在進行中の釧路湿原自然再生協議会への市民参加にもつながっていると話しました。
20周年事業2 また、釧路会議当時の会議関係者を招いてのトークイベント「Talk & Talk」も開かれ、菊地義勝KIWC事務局長を聞き手に、当時の条約事務局長のダニエル・ネイビッド氏、会議副議長だったローレンス・メイソン氏、国内NGOとして参加したラムサールセンタージャパン事務局長の中村玲子氏が、釧路会議の思い出やこれからの湿地保全について語りました。
3名のスピーカーは口々に釧路会議で市民がみせたホスピタリティの高さに触れ、市民が会議にボランティアとして参加し地元を盛り上げるスタイルが以降の締約国会議に受け継がれていると話しました。また、20年を経て締約国数も当時の倍以上に増えたことを受け、湿地保全における国際協力の重要性について一致した見解が示されました。
20周年事業3 翌7月7日は、ラムサールセンター主催の「こどもラムサール会議」が開催され、釧路湿原をはじめ、愛知県の藤前干潟や道内の宮島沼など国内7カ所の条約湿地から小学生34名が参加しました。子供達は、前日に行った釧路湿原の見学や、ツルが来る農家の人とのやりとりなどから、釧路湿原の「6つの宝」とキャッチコピーを決定し、これを未来へ引き継ぐよう、蝦名大也釧路市長へ託しました。
その他、会場では釧路湿原のシンボル「鶴」の民話などを語り部が伝える「山形弁で語り継ぐ民話・夕鶴」(北海道環境財団主催)や湿地保全に関するパネル展なども開催され、多くの市民が来場しました。
20周年事業4 20周年事業5


「みんなで調べる復元河川の環境・2013夏」調査の実施
(2013年度河川整備基金助成事業)

2013年7月14日(日)、釧路川の蛇行復元区間を含む中流域の河畔で、地域住民による環境調査を行いました。2010年の復元河道通水後から毎年夏に実施しており、今回で4度目の調査となります。
みんなで調べる復元河川の環境・2013夏1 当日は25名が参加し、「水生生物」「堆積土壌」「植生」の3班に分かれて、それぞれ水生生物の捕獲や堆積土壌の構成調べなどを行いました。水生生物調査には環境把握推進ネットワーク代表の照井滋晴さん*と釧路市立博物館学芸員の野本和宏さん、堆積土壌調査にはKIWC技術委員長の新庄久志さん、植生調査には道東野生生物研究家の高嶋八千代さん*がリーダーをつとめました(*KIWC技術委員)。
水生生物調査では罠やたも網、投網を用いて、魚類5種の他、300匹以上のウチダザリガニを捕獲し、外来生物を含め、多くの生き物が復元河道に入り込んでいることを確認しました。土壌調査では、土砂構成や州の計測を通じて、堆積・浸食による河岸の変化が確かめられました。また、植生調査班は2010年から設置している方形区で植生を調べました。
みんなで調べる復元河川の環境・2013夏2 作業後は「憩の家かや沼」に集まって調査結果をまとめ、考察しました。水辺の生き物や植物にとって望ましい河川の環境や、釧路川の将来について皆で考える一日となりました。
なお、今回の調査は(財)河川管理環境財団の河川整備事業の助成を受けて行われました。