9月4日㈰に、「日本湿地学会第14回釧路大会」が開催され、釧路観光国際交流センターにて一般公開特別シンポジウムが、温根内ビジターセンターにてエクスカーションが実施されました(日本湿地学会主催・当センター共催)。来年でラムサール条約締約国会議(COP5)から30年を迎えることを記念して、釧路にて開催されました。
当日は、数日前の降雨予報を覆す晴天に恵まれました。エクスカーション、シンポジウム併せて一般市民10名、学会員約70名の方にご参加いただきました。
プログラムは午前10時から12時までシンポジウムを行い、13時から16時半までエクスカーションという計6時間半の行程でした。
午前のシンポジウムでは、「ラムサール条約釧路会議から30年を振り返る」と題して、COP5の開催地となった釧路市(釧路湿原)を代表して新庄久志氏(当センター技術委員会委員長)、来年でラムサール条約登録30周年を迎える他5箇所の国内ラムサール条約登録湿地を代表して厚岸湖・別寒辺牛湿原から澁谷辰生氏(厚岸水鳥観察館)、霧多布湿原から伊藤大雪氏(霧多布湿原センター)、谷津干潟から小山文子氏(谷津干潟自然観察センター)、片野鴨池から大畑孝二氏(日本野鳥の会)、琵琶湖から植田潤氏(湖北野鳥センター)が登壇し、それぞれの湿地について発表した後、会場の参加者も加わり現在までの取り組みについてディスカッションを行いました。
午後のエクスカーションでは、普段立ち入り禁止の天然記念物指定区域である右岸堤防内をバスで進み、温根内ビジターセンターに向かいました。バスの車内では、開発局の佐藤豪氏、市川嘉輝氏に解説いただき釧路川の治水の歴史や自然再生事業について学びました。また、横堤を見ながら釧路湿原の遊水機能について話をお伺いしました。
温根内ビジターセンターでは、当センターの技術委員である本藤泰朗センター長に館内の解説を受けた後、当センターの4名の技術委員(新庄久志氏、高嶋八千代氏、照井滋晴氏、澁谷辰生氏)が参加者を先導しながら木道のそばに咲く植生や、飛び交う鳥類について解説しました。
湿地に慣れ親しんだ学会員の方も、拡大するシカの食害被害などについて改めて考える機会になったほか、普段研究しているフィールドとは異なる環境に刺激を受けたようでした。一般市民の方からは「コロナ禍で外に行く機会が減ったが、久々に動植物に触れ詳しい解説を聞けてよいリフレッシュになった」との声を頂きました。
久々の対面での大きなイベントでしたが、無事盛況の下終了しました。